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文学を読んでみたいけど、何から手つけたらいいかわからない……
私もそうだったので、その気持ちよくわかります!
そんな方にオススメしたいのは、
長すぎず、読みやすくて、とっつきやすい文学
です。
そこで今回は、文学初心者さんが読みやすい作品を5冊厳選しました。
「いきなり本を読むのもハードルが高いかも…」という方に向けて、文学へのさまざまなアプローチ方法も併せてご紹介します。
どんな形であれ、文学に触れて興味を持つ。それだけで、人生を変える一冊に出逢うきっかけができるのです。
みなさんの文学へのはじめの一歩となれば幸いです。
恥の多い生涯を送ってきました。
1948年初出の太宰治の代表作『人間失格』。
「無頼派」「新戯作派」の破滅型作家を代表する昭和初期の小説家、太宰治の長編小説。
自分の幸福の観念と世の中のそれが、まるでくい違っているような不安に悩む大庭葉蔵の半生を自意識過剰に描いた、太宰文学随一の傑作。
太宰文学の「最高のかたち」の「遺書」であるとともに、日本近代文学を代表する作品。
一番好きな作家です!
本作品は、長すぎず、言葉も難しくない。テーマも共感しやすい。
文庫本はかなり薄く、これなら読めそう!と思わせてくれる長さです。
言葉遣いも現代に近く(森鴎外などは読みにくいですよね)、テーマも時代関係なくのめり込めるものなので、読んでいて抵抗は少ないはずです。
中学の頃一度読んだのですが最近になって読み返してみると、その心理描写の深さや繊細さにまたしても衝撃を受けることとなりました。
読んだときの年齢や状況によって、感じ方も変わるものですね。
この作品の凄い点の一つは、本作品を完成させたその1か月に、太宰は女性とに玉川上水で入水自殺しているところです。
作品に自分の人生までも吹き込んでしまう。
戦後の売り上げは新潮文庫版だけでも累計発行部数670万部を突破しており、夏目漱石の『こころ』と何十年にもわたり累計部数を争っている作品です。
文学へのはじめの一歩として最適な名著です。
「迷子の英訳を知っていらしって」「教えて上げましょうか」
「迷える子(ストレイシープ)──解って?」
1909年初出の夏目漱石の中編小説『三四郎(さんしろう)』。
主人公の三四郎は母のいる九州の田舎から東京に出て、大学で学問や思想の深い世界に触れる。
ミステリアスな美禰子との恋愛で「迷える羊」としての自分を自覚していく青春小説。
「無意識の偽善家」として描かれた美禰子は森田草平と心中未遂を演じた平塚らいてうがモデルだという説がある。
舞台は東京、熊本から東京大学に出てきた主人公「三四郎」が、教授、先生、同級生、そして想いの美女と繰り広げる学園ドラマ。
三四郎って名前だったんですね!
『こころ』や『坊ちゃん』と比べたら、知名度は少し低いかもしれません。
しかし『三四郎』は青春小説なだけに、かなり読みやすいです。
少し前なら、亀梨さんや山下智久さん、今なら菅田将暉さんや吉沢亮さんでしょうか、そんなトップ俳優が主演の月9的ストーリーです。
しかしそれだけじゃないのが、その時代背景がしっかりと組み込まれていること。
当時、ハイカラだった「ライスカレー」や学校帰りの「落語」など、今とは一味違った当時の流行が垣間見えてすごく面白いです。
親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。
1906年初出の夏目漱石の中編小説『坊ちゃん』。
親譲りの無鉄砲で江戸っ子気質の主人公「坊っちやん」が四国の中学校に数学教師として赴任する。
わんぱくな生徒たちのいたずらにあったり、教頭の「赤シャツ」一派と数学教師「山嵐」との内紛に巻き込まれ、正義感に駆られて活躍するが、最後には辞表を出してただ一人の理解者のばあやの清の待つ東京に戻る。
漱石は1895(明治28)年から翌年にかけて、松山中学の英語教師だった。その体験が元になっていると言われる。
歯切れのいい文章と「坊っちやん」の個性と魅力によって、多くの人に愛読されている作品の一つである。
ちょっとだけ知ってるけど、ちゃんと読んだことなかった!
『坊ちゃん』は、近代文学の中でも読みやすさは随一の作品です。
なぜなら、とにかく登場人物が個性豊かで面白い。
舞台は学校で、主人公は中学校に赴任したばかりの数学教師である「坊ちゃん」。
坊ちゃんは持ち前の正義感で、赤シャツや野だいこ、マドンナやしたたかな生徒たちを相手に、大騒動を起こしていきます。
あだ名が多くて面白い!学校のドタバタって今も昔も変わらないんですね笑
『三四郎』と同じく当時の流行りや考え方も作中から垣間見えて、魅力的な作品です。
えたいの知れない不吉な塊が私の心を終始圧えつけていた。
焦燥と云おうか、嫌悪と云おうか。
1925年初出の梶井基次郎の短編小説『檸檬(れもん)』。
肺を病んだ“私”は、果物屋の檸檬を手にすると妙に落ち着いた。好きな丸善の本屋へ行ってみようという気にもなった。いざ行ってみるとまた不吉な魂が頭をもたげくる。ふと“私”は思いつく。檸檬を画集の上においてみる。まるで爆弾のようではないか。
簡潔な文章で描かれた鮮やかな檸檬は年月が経ても色褪せることはない。
教科書でやった気がする
物語ラストの丸善に檸檬を置くシーンは、記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
私の高校では、近所の本屋さんにレモンを置く事件が多発しました笑
この作品はとても短い上に、言葉もわかりやすく簡潔なので、文学初心者に大変適しています。
共感覚に基づく感性が物語の核となっており、若いころ特有の漠然として不安やモヤモヤを色や形や匂いにうったえて表現しています。
「意味わかんない!」「いやいや、すごくわかる!」と読後の感想が両極化する作品ですが、鬱々とした日常に爽快感をもたらしてくれる一冊です。
永いあいだ、私は自分が生れたときの光景を見たことがあると言い張っていた。
1949年初出の三島由紀夫の長編小説『仮面の告白(かめんのこくはく)』。
人と違う性的傾向に悩み、生い立ちからの自分を客観的に生体解剖していく「私」の告白の物語。
自身の性的志向への自覚と、男女の愛への試みと挫折が、苦痛と悲哀に満ちた理知的かつ詩的な文体で描かれている。
当時、同性愛というテーマを赤裸々に綴ったことは大きな話題を呼び、この作品により三島は一躍、24歳で著名作家となった。
日本文学史上でも、その異質性においても画期的な作品だとされている。
三島由紀夫といえば『金閣寺』が有名ですが、最初の一冊としておすすめしたいのは、『仮面の告白』です。
世間に衝撃をもたらした彼の自伝的作品であり、海外でも高く評価されている作品です。
実は、物語の前半はたっぷり主人公の性癖を書き連ねたもの。
主人公の青年は、「幼い頃から男性に惹きつけられていた」という描写がみずみずしく描かれています。
特に、筋肉マッチョに目がなく、刺青を入れていると尚良いそうです。
かなりゴリゴリ系…!
そんな、人と違う性的傾向に悩んでいた彼が、ある少女と出会い、自分も普通の恋愛ができるのかもしれない、と希望を抱くが…というお話です。
今ほどLGBTQ等に寛容ではない当時、同性愛というテーマを赤裸々に綴ったことは、世間に大きな衝撃を与えました。
ちなみにYMOの「BEHIND THE MASK」は、この作品から発想を受けて坂本龍一が作曲した曲です!
どんなに読んでみたい!と思っていても、なかなかハードルが高いのが読書ですよね。
いきなり腰を据えて「本を読もう」とすると、うまくいかないこともあります。
そこで今回は導入として、さまざまな形で作品にアプローチする方法もご紹介します。
動画を観るのが、もっともモチベーションをあげるに手っ取り早いです。
最近は本の要約や解説をしてくれているチャンネルがかなり多いですね。
ネタバレが嫌な方には非推奨ですが、動画は心的ハードルがかなり低いので導入としてぴったりです。
人間失格
「Youtube大学」でお馴染みの中田敦彦さんが解説をしています。
とても面白い動画となっているので、読む意欲が上がること間違いなしです!
ストーリーの解説をしているので、ネタバレが嫌な方はご注意を!
でも、動画を見た後はより原作を読みたくなります!
三四郎
「Youtube大学」でお馴染みの中田敦彦さんが解説をしています。
もはや文学にあまり馴染みがない方でも、楽しめる動画です!
プラトニック恋愛ドラマだったのか……
坊ちゃん
「Youtube大学」でお馴染みの中田敦彦さんが解説をしています。
見ているだけで、エンターテイメントとして面白いので、おすすめです!
檸檬
文学チャンネルの方が解説してくださっています。
こちらとてもわかりやすいので、オススメです!
仮面の告白
「Youtube大学」でお馴染みの中田敦彦さんが解説をしています。
文学にあまり親しみがない方が見てもとても面白く、純文学の世界に足を踏み入れるきっかけになるかもしれません。
え、漫画で読むなんてありなの…?
邪道だと思う方もいるかもしれませんが、一つのアプローチ方法として全然アリです。
「読んだことがない」と、「漫画ででも読んだ」は全然違います。
面白さに気づいてしまうと、原作を読まずにはいられなくなるのです。
その本に興味を持つことが文学への近道ですね!
人間失格
三四郎
坊ちゃん
檸檬
最近、Audible(オーディブル)やAudiobook(オーディオブック)といった「聴く読書」が流行っています。
新たな試みに思えますが、文学にとっては違います。
そもそも文学は昔から口頭で伝えられてきたものであり、最近でも、作家さんが自身の作品を朗読するというイベントはよく行われます。
つまり、文学こそ耳から聴くのにとても適しているのです。
聴く読書の中で最もおすすめなサービスがAmazonのAudible(オーディブル)で、かなりの量の文学が配信されています。
人間失格
三四郎
坊ちゃん
檸檬
原作に挑戦してみましょう。
原作の中でも、最近はさまざまな出版社が工夫を凝らして出版をしています。
お気に入りの表紙を探してみると気分も上がりそうです。
人間失格
『デスノート』作画の小畑健さんによるもの、『文豪ストレイドックス』のキャラものなど、素敵な表紙がたくさんあるんです!
三四郎
坊ちゃん
檸檬
仮面の告白
三島由紀夫の作品は現在電子書籍化はされていません。
映画やドラマ化している作品も多々あります。
映像はを観ることで、時代の違いで想像しにくい部分も理解できます。
私は少し前に公開した、小栗旬さん主演の『人間失格』を観に行きました!
人間失格
『人間失格』は、二度映画化されています。
三四郎
坊ちゃん
仮面の告白
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「純文学」は、やはり言葉遣いが古かったり、時代背景がわかりづらかったり、と途中で挫折してしまう人も多いかと思います。
実際私も、読みきれなかった本がたくさんあります…
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これであれば、再生すれば勝手に流れてくれるので続けやすく、隙間時間でも聴けるので読書効率も上がります。
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私も初めは疑心暗鬼でしたが、始めてみたらもうやめられないほどハマってしまいました!!
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以上、日本の近代文学のおすすめ5冊をご紹介しました。
読んでみたい1冊は見つかりましたか?
「純文学」は「読みたいけど、読みにくくて…」と手が出なかった人もいるかもしれません。
確かに、時代の違いや言葉の違いが違和感に感じるときもありますが、それこそが古典名作の醍醐味でもあります。
また、時代の流れという洗礼を受けても有名であり続ける本というのは、時代を超えて人の心を打つ何かがあるということなのです。
そのような本は、読んで損をすることはありません。
そしてあなたの人生を変えてしまう一冊になるしれません。
本に興味を持つきっかけは、解説動画や漫画、朗読や映画、なんでも構いません。
ぜひ、文学を読んでみてください。
みなさんが人生を変える一冊に出会えることを願って。
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