うなぎを求めてふらっと立ち寄ったお店が、スッポン料理専門店だった。
スッポンって、あのカメみたいで噛む力が強いやつだよね?
あれ、じゃあカメなの?
カメって食べるの?
と疑問が湧き上がってきたので、この記事ではスッポンとはいったい何者なのか?についてご紹介する。
笠間は歴史ある栄えた街だった
大人の休日倶楽部で吉永小百合が笠間に行ってるのをみて、母が笠間に行こうと言い出した。
笠間は、茨城県笠間市。栗が有名。そのくらいしか知らない。
父と母と3人でよく筑波方面に果物狩りに行くのだが、さらにその先のようだ。
車を飛ばして2時間と少し。父はナビに言われるがまま運転していたが、水戸のICまで来たので、流石にちょっとビビっていた。
水戸と言われるとかなり遠くに感じるのだ。だって、水戸放送局のあの水戸でしょ?
Googleマップにも聞いてみたが、道はあっている。
笠間はなかなか遠かった。
笠間に着くと、「第116回 笠間の菊まつり」の看板が見えた。
菊まつりも開催しているようだ。とても嬉しい。
でも第116回?
今年は2023だから、えっと、1900年くらいから行なっているのだろうか。あぁ、計算ができない。そこの計算オタクのあなた、計算してください。
1900年っていつだろう?1902が日英同盟。1904年が日露戦争。だから、明治の中頃だろうか。(学生のころ暗記した年号はこういう時に役にたつ)
明治の頃から菊まつりを行っているなんて、笠間はとても歴史のある栄えた街のようだ。
笠間?栗くらいしか思いつかない、とか言ってごめんなさい。
さて、話を戻すと、笠間にてお目当ての鰻屋を訪問したのだが、予約でいっぱいと振られ、また次の鰻屋でも振られた。
もう舌は鰻を食べる準備をしているので、鰻以外は考えられない。
そこでふと目に止まったのは、綺麗な白髪を後ろでちょんまげに結び、腰に紺色のエプロンを巻いた初老の男性。
彼は、お店の中から出てきて、店の看板の向きを直し、入り口の草木を軽く手入れして、そして中に戻っていった。
看板には「うな重3,700円」の文字。ここにしよう。
誰もいない
幾つものお店が予約でいっぱいだと人で溢れていた中、店内にはお客さんが誰もいない。
おっと、これは間違ったかしら。
ちょっと自信がなくなったが、「今から食べれますか?」と聞くと、「どうぞ」と初老のおばあさまがにこやかに迎えてくれた。
後から聞くと、基本は夜営業で、今日は菊まつりが始まったからお昼も一応お店を開けていたようだった。
地図上、営業外になっているので、誰もいなかったのだろう。とてもラッキーである。
御座敷に座って店内を見渡すと、なかなか装飾に凝っているようだった。
しきりの衝立(ついたてって響きが素敵だと思いませんか?)には、朱色の着物が下がっている。その上には、「親父の小言」という額縁が下がっていて、親父の小言が30条も書かれていた。
着物の帯と思われるものが、天井にはぶら下がっていた。
カウンターもなかなか乙で、木のテーブルに地酒の瓶が綺麗に並んでいた。
反対側のお座敷の奥には大きめのテレビが置いてあり、昼間のバラエティで水族館のペンギンがバタバタしているのが映し出されていた。
かわいい。私はペンギン狂なのだ。
今どきご飯屋さんでテレビがついているというのも珍しい気がした。
地上波のテレビを見る機会もめっぽう少なくなってしまったので、なんだか興味深かった。
お手洗いは和式で、これまた珍しく感じた。和式に出会ったのはいつぶりだろうか。
私が小学校の頃は、学校のトイレは必ず洋式が1つ、和式が3〜4つで、洋式はあまり綺麗じゃなくて誰も使いたがらなかった気がする。
直接肌をつけるのは遠慮したい…という気持ちが大きかったのだと思う。
あっという間に洋式が逆転勝利したみたいだ。
トイレの話は置いておいて、ここからが本題である。
活き血(日本酒割り)
私が座った席(お座敷でも席という言葉を使うのだろうか?なんとなく席というと椅子をイメージしてしまって、座布団に対して席というと違和感を感じる)の後ろの壁に、メニューらしき額縁があった。
スッポン料理。活き血(日本酒割り)。鍋。一匹3〜6人前。一万五千円。
スッポン?
スッポン鍋というのは聞いたことがあったが、メニューで目の当たりにしたのは初めてだった。
活き血の日本酒割り?
真っ赤なのだろうか。ドス黒いのだろうか。
考えただけで目眩がした。
そしてそもそもだ、すっぽんってなんだっけ?
アホなの?スッポンは、甲羅があって、噛む力がめちゃくちゃ強い亀みたいなやつだよ。と言われるでしょう。
それは知ってます。
でも、すっぽんってカメみたいだけど、ほんとにカメなの?
え、じゃあカメ食べるの?
じゃあ、昔よくみた家の近くの川で泳いでるカメ、食べられてたの?
食べていいカメと食べないカメがいるの?
スッポンとは何者なのか?知っているようで何も知らなかった。
スッポンの正体
スッポン(鼈・龞・鱉、丸魚、Pelodiscus sinensis)は、爬虫綱カメ目スッポン科スッポン属に分類されるカメ。
wiki
鼈?龞?鱉?漢字むずっ。
カメが爬虫類だということは知らなかった!
つまり、爬虫類であるカメの仲間であり、スッポン科スッポン属に属しているのが、スッポンなのです。
やっぱり、スッポンはカメだった!正解!
滋養強壮の食材とされる。カロリーが低く、タンパク質、脂質が多い。コラーゲンを豊富に含み、ビタミンB1、B2が非常に多い。甲羅や爪、膀胱(俗称「尿袋」)、胆嚢(同「苦玉」)以外はすべて食べられることが特徴である。
wiki
そしてやはりスッポンはたべるらしい。
スッポンからとれる出汁は美味とされ、スッポンで拵えた「スープ」や雑炊、吸い物は日本料理の中では高級料理として珍重される。スッポンは形状が丸いため「まる」とも呼ばれ、スッポンを鍋料理にしたものはまる鍋と呼ばれる。専門店では食前酒として、スッポンの活血を日本酒やワイン等のアルコールで割ったものを供す。スッポンを解体することを専門用語では「四つ解き」(よつほどき)とも言う。
スッポンスープ、スッポン雑炊、スッポン吸い物は、高級料理とのこと。
スッポン鍋は「まる鍋」というそうだ。初めて聞いた。
イノシシ鍋はボタン鍋っていうけれど、なんでボタンって言うんだろう?今度調べてみよう。
フグ鍋はなんて言いましたっけ?◯◯鍋の種類を調べていくのは楽しそうだ。
今後の宿題とする。
そして、スッポンの活血を日本酒やワインなどで割ったものを食前酒とするそう。
やはりこのお店は専門店だったのだ。
鰻に誘われてやってきた店は、スッポン専門店だった!
以下、スッポンについての基本情報をまとめた。
- スッポンは、カメの仲間
- カメとの大きな違いは、甲羅が柔らかいこと
- 性格はカメはおとなしく、スッポンは獰猛
- 栄養満点で昔から食べられており、高級料理である
- カメはペットのイメージがあったり、素敵なイメージ?がついているので食べることに抵抗がある人も多い
- カメは食べようと思えば食べれるし、食べる文化の国もあり
これであなたもスッポンについてしれたでしょう!
友達に、「すっぽんってなんだか知ってる?カメと何が違うのか知ってる?」と聞いて教えてあげてくださいね。
ドヤ顔も忘れずに。
まとめ
カウンターの上の壁にギザギザしたまあるいものがたくさん貼ってあった。
最初は、えっ虫?!とかなりビビったのだが、怖すぎるので、提灯(ちょうちん)の半分側だと思い込むことにした。
鰻重を食べながら目に入るのだから、そうしておいた方が穏便である。
お店の雰囲気にも提灯は合っているし、あれは提灯に違いない。
ごちそうさまをして靴を履いていた時に、壁をもう一度見上げて思った。
これ、スッポンだ。
そう、スッポンの甲羅に違いない。
なんせスッポンの活き血の日本酒割りが出る、スッポン専門店なのだから。
虫より良かったけど、スッポンの甲羅が大量に並んでいるのもやっぱり同じくらい怖かった。
以上、スッポンは食べなかったけど、スッポンに想いを馳せる時間を提供してくれたこのお店にはとても感謝している。
もちろんうな重は最高に美味しかった。ついてきたお漬物や最後のデザートに笠間焼に注がれたコーヒーまで完璧だった。書いていると長くなってしまうので、これについてはまた別の機会に。
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